The Professionals− ハイリスク患者の診断と治療戦略を探る −

本セッションでは疾患の診断が困難であった症例やハイリスク症例に対する治療戦略をエキスパートと共に探ります。
適切な診断に難渋した症例、原因不明の疾患、治療すべきかの判断に迫られた症例が全国から集まりました。

開催概要

6月27日(木)17:30 - 19:00  Room A 
座長:上妻 謙(帝京大学)
コメンテーター:
阿古 潤哉(北里大学)/ 前川 裕一郎(浜松医科大学)

演題一覧

症例紹介

CASE 2
治療方針決定に苦慮した冠動脈バイパス術後・維持透析患者の1例
蔵垣内 敬(兵庫県立尼崎総合医療センター)
症例は70代男性。8年前に他院で冠動脈バイパス術を施行され、1年前に透析が導入された。今回透析時の胸痛と心不全を認め入院となり、負荷心筋シンチで虚血評価を施行した所、負荷時の一過性左室内腔拡大を認め、広範な心筋虚血が疑われた。
【既往歴】
維持透析(糖尿病性腎症)
CABG後(LITA-LAD,RITA-RA-D1-PL,SVG-4PD)
【心エコー】LVDd/Ds 51/46mm, LVEF 48%,中隔~側壁基部でhypokinesis, AoV Peak 3.0 m/s, mean PG 18 mmHg, AVA (連続の式 ) 1.46 cm2, AR mild
【来院時心電図】
Question. 広範囲に虚血をきたす原因は?さらなる検査・治療をどうしますか?

CASE 3

PCSK9 Inhibitor Monotherapy Stabilizes Coronary Plaque in a Patient with Statin Intolerance

赤司 良平(長崎大学)

症例は60代女性。SLEに対しPSL内服中で、冠危険因子として高血圧、糖尿病を有している。15か月前にLADに対するPCIが実施され、その後ロスバスタチン内服が開始されたが筋痛の為、内服継続困難であった。今回、不安定狭心症で入院となりLCX seg.13に対してPCIを実施した。OCTにて非責任病変のSeg.11に被膜が薄く、脂質角度の大きい不安定プラークを認めた。LDLコレステロール値は121mg/dlであり、脂質低下療法の再開が必要と判断し、複数のスタチン製剤及びエゼチミブ内服の導入を試みるも、CK値の上昇は認めないものの、いずれの薬剤も筋痛、脱力症状の為継続困難であった。PCI後6か月目のフォローアップCAGでOCTフォローしたところ、非責任病変の不安定プラークは変わらず存在した。
【既往歴】
SLE(プレドニン内服中)、高血圧、糖尿病
【身体所見】
身長147cm, 体重 51kg, BMI 23.6kg/m2, 血圧111/70mmHg, 心拍数 90/min, 心雑音:聴取せず
【来院時血液検査データ】
Question. スタチン、エゼチミブ内服が困難でイメージングでは非責任病変に不安定プラークを認めます。みなさんなら今後の治療戦略をどうしますか?
①投薬なしで経過をみる ②少量スタチンないしエゼチミブを頑張って継続してもらう ③PCSK9阻害薬を導入する ④プラークシーリング目的でステント留置を行う ⑤その他

CASE 4

治療方針に苦慮した冠動脈主幹部から左冠動脈前下行枝、回旋枝にかけての特発性冠動脈解離の一例

保田 真太郎(大阪医科薬科大学病院)

症例は60代女性。X年X月X日 23時10分に突然の胸痛、左肩痛が出現。改善しないため救急要請。救急車内のモニター心電図でST上昇を認めたため、STEMIの疑いで23時50分救急搬送となった。
【既往歴】高血圧、胆嚢摘出術
【生活歴】喫煙歴:なし 飲酒:なし
【家族歴】心疾患や突然死の家族歴なし
【来院時身体所見】JCS 0、血圧 134/77 mmHg、心拍数 66回/分、整
SpO2 100%(room)、体温 36.8℃
【検査所見】血液検査および心電図
STEMIと診断後直ちにCAGを施行したが、入室時には胸部症状は改善しており、心電図でのST上昇も改善していた。
CAGではRCAには有意狭窄は認めず、LMTに軽度の狭窄およびdiagonalに高度狭窄を認めた。ニトロ投与により大きな変化は認めなかったが、PCIの適応病変はなしと判断した。症状、心電図経過から、冠攣縮性狭心症の可能性が高いと判断し、カテーテル検査を終了した。
しかし、数日後に胸部不快感が出現し、心電図検査でⅠ、aVL、V2-6のST上昇を認め、再び緊急カテーテル検査を行うこととなった。CAGでLMT75%狭窄、LAD中間部は閉塞、diagonal 90%狭窄、OMに99%狭窄を認め、LAD中間部が責任病変と判断した。IVUS を確認したところLMTからLAD遠位部まで解離所見を認めたため特発性冠動脈解離の診断となった。
Question. このあとどのような治療戦略をとり、どのような臨床経過をたどるのでしょうか?
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