診断と治療に迷った3症例から学ぶ|The Professionals

The Professionalsとは

― 疾患の診断が困難だった症例やハイリスク症例に対する治療戦略を探る ―

The Professionalsは、診断が難しかった症例や、治療方針の選択に悩んだ症例をもとに、その思考過程と対応策を多角的に検討するセッションです。

今回は全国から選ばれた3症例を紹介。
日常診療では頻繁に遭遇しない展開や判断の分岐点があり、「自分ならどう動くか」を考えさせられる構成です。


総大腿動脈仮性動脈瘤手術後の術後評価にて造影CT施行3時間後に胸痛を訴え緊急CAGを施行した70代男性の一例

富田雄一朗(聖隷三方原病院/菊川市立総合病院)
【症例】
70代男性。主訴は右鼠径部痛。
【現病歴】
2年前に狭心症の既往があり、LADに対してPCI施行、エベロリムス溶出性ステントを留置した。定期外来受診時に右鼠径部痛を自覚され、造影CTで右大腿動脈に仮性動脈瘤を認め入院となった。
【既往歴】
狭心症、高血圧、脂質異常症、ラクナ梗塞、膜性腎症
【生活歴】
喫煙歴なし、飲酒なし、アレルギー歴なし
【家族歴】
心血管疾患の家族歴はなし
【内服薬】
プレドニゾロン 5 mg、バイアスピリン 100 mg、ボノプラザン 10 mg、ロスバスタチン 10 mg、エゼチミブ 10 mg、ペマフィブラート 0.2 mg、アジルサルタン 10 mg、硝酸イソソルビド 40 mg、ミノドロン酸 50 mg/月
【入院時現症】
血圧 151/83 mmHg、脈拍 58 回/min、呼吸音 16 回/min、SpO2 98% (room air)
身体所見:心雑音は明らかではない、ラ音は聴取しない
【経過】
入院後、降圧目的でニカルジピン持続投与を開始したところ、第4病日に体幹部の発赤が出現した。薬疹を疑い、ニカルジピンから硝酸イソソルビド持続静注へ変更し、ロラタジンの内服を開始したところ、発赤は消失。第7病日に仮性動脈瘤に対する手術を施行し、第10病日にロタラジン内服を中止した。第16病日に術後評価目的で造影CTを施行した3時間後に胸痛が発現した。
【造影CT撮影3時間後の身体所見・血液データ】
血圧は保たれており、血液検査ではTnIの上昇を認めた。
心電図では、V2-4でhyper acute T、ST上昇を認め、心エコー図検査では、前壁-前壁中隔にかけて高度壁運動低下を認め、緊急CAGを施行した。
Question. 胸痛誘発の原因は何だったのでしょうか? 血栓症? 造影剤アレルギー? HIT?
どのような診断が下され、どのような臨床経過をたどるのでしょうか。

※ 本セッションではこの他にも、診断や対応に悩んだ2症例を取り上げています。


開催概要

【日程】
6月24日(火)〜6月28日(土)

【開催方法】
オンライン

【参加費】
医師・企業・その他 17,000円
メディカルスタッフ 5,000円